ノーツ・フロム・ザ・フィールド – CSEAS Newsletter

ノーツ・フロム・ザ・フィールド

翻訳がつないだイスラーム的男女平等論:「ロシア初の女性東洋学者」の夢と現実

帯谷 知可(中央アジア近現代史、中央アジア地域研究)
私の本来の専門はウズベキスタンを中心とする中央アジアの近現代史・地域研究なのですが、以下はそこからだいぶ越境することになった研究テーマのお話です。……

知られざるカンボジアの思想史を解き明かす

テラ・トゥン(歴史学、香港在住)
拙著Epistemology of the Past: Texts, History, and Intellectuals of Cambodia, 1855–1970(『過去の認識論─1855-1970年におけるカンボジアのテキスト・歴史・知識人』ハワイ大学出版会、2024年。邦訳は未刊行)は、……

〈自著紹介〉Emplacing East Timor: Regime Change and Knowledge Production, 1860–2010

土屋 喜生(東南アジア研究、近現代史)
2000年代の終わりごろ、私はまだ学部生でしたが、国連東ティモール選挙支援チームで仕事をする特別な機会に恵まれました。……

調査地での教育:アジアからのアジア研究の実践〈ダバオ滞在記3〉

土屋 喜生(東南アジア地域研究、近現代史)
2023年6月から1年間のアテネオ・デ・ダバオ大学(以下ADDU)出向において、私が一番力を入れることになったのが学部生の教育でした。…

パッケージ食品、パッケージ化された生活:フィリピン・マニラのスラムにおける企業ブランド食品

エリベルト・ルイズ・タフォヤ(政治経済学) 本稿では、フィリピンをはじめとする東南アジアやグローバル・サウス諸国のスラム[1]を研究対象とする人々、あるいはそこで社会活動を行う人々、自治体関係者・政策担当者やその他のアク…

リヴァイアサンのいない場所:ある死を通して認識のギャップを問う〈ダバオ滞在記1〉

土屋 喜生(東南アジア地域研究、近現代史)
アテネオ・デ・ダバオ大学が休暇に入った10月30日、カガヤン・デ・オロのプエルトに住む義理の家族から「甥が刺殺された」というニュースが届きました。急遽、私はダバオから……

『現代フィリピンの地殻変動』を振り返って:応答の場としての地域研究

西尾 善太(フィリピン地域研究、文化人類学)
2023年3月、編著『現代フィリピンの地殻変動』(花伝社)が出版されました。本書は、私を含め、2010年代に調査を行ってきた若手研究者の……